「大丈夫?」 返事は無い。 たぶん睡眠薬でも飲まされているのだろう。 それより間に合って良かった。 「交換条件は?」 私は静かに向こうにうっすら見える”影”に話しかけた。 「もういいのか?」 構わないという意味を込めて首を縦に振った。 「了解」 ”影”も頷く。 そうここへ来たのは交換をするため。 …それは真と私の交換。 私を選んで帰るか、 真を家に帰らせてあげるかの駆け引きだ。