満月の兎




「よかったぁ……
一夜君置いてくんだもん」

足音の正体は
瀬戸先輩だった

「せ、せんぱいだぁ……」

ホッとしたあたしは
また泣き始めた

「洋汰君が言ってたとうり
暗いの怖いんだ」

にこりと笑ってあたしの頭を
撫でてくれるから
余計に安心してしまった

「ほら、帰ろ?」

ぎゅっと手を握って
促(うなが)してくれる
先輩はとても優しかった