満月の兎


「俺が満月でお前が兎

なら、満月にしかいない兎
満月の兎だな」

ふはっと彼は笑う
あたしが嫌いな言葉は
大切な言葉に塗り替えられる

「……ん、うん…
嬉しい……」

暖かいものが頬を伝う
あたしが欲しかったもの



それはーーー…存在