満月の兎



「知らん……」
「望月って昔の呼び方で満月って意味なんです」
「………そうか」
「だから望月一夜って
一つの夜にある綺麗な満月
これほど素敵な名前無いでしょ??」
「……だな……」
「……わっ…」

優しげな顔で笑いかけてくれた

「ち、因みにっ!!
望月を餅つきって例えた例も
あるんですよっ!!」


「うん……そっか…」

あたしは彼の笑顔が眩しかった
意味を見つけた自分の名前

「じゃあ、俺も良いもんやるよ」