満月の兎

洋汰君はこの事を知らない
知るはずもない

周りには暗黙の了解だった

「今も弱いのか………?」
「えっ?」

知らないわからない
あの頃より頑丈になった身体
少し強くなった心

「………分かんないですよ」


「あたしの不満は以上ですっ!!」


傷つくことを知った心は
傷に怯える

光を求めて苦しくなる…………