満月の兎


「別に……
不満なんかねぇよ……」
「あたしには不満だらけに見えるけど」

かっこいいと言われることも
他人から悩みなんか無さそうと言われることも

「何かあるんじゃないですか」
「……無いな」

どうしても言わないつもりの彼は
あたしの前を黙々と歩く


「あーぁ、じゃああたしの不満聞いて下さい
他人から見れば不満でも無いだろうけど
あたしね洋汰君に兎って呼ばれるの

……嫌なんですよ」

「マジでくだらねぇな」
「でしょww
小さな時周りよりあたしは
小柄だったんです」