「楓香っ!」
「はっ!!美加ちゃんっ!!
どうしたの??」

この子はあたしの友達の美加(みか)ちゃんです。ちなみに彼女弓道部なんです。

「どーしたのって…
この後用事あるか聞きに来たの」
「用事…。無いと思うよ?」
「そう?
じゃあ一緒に帰ろっ!」
「う…」
「野々原。すまんが生徒会にこれ持って行ってくれ」

あたしが返事をする前に担任の春日井(かすがい)先生に雑用を押し付けられた。

「…ごめん。帰れないや…あっ!!
でも、提出するだけだもんね!帰れる…」
「後、これも一緒に書いて出しといてくれ」
「先生っ!自分で書けばいいじゃないですかっ!?」
「ほぅ…。お前はこの放送部の顧問に逆らうのか。
そうかそうか。今からお前の個人情報流して来る」
「すいませんやらせて頂きます」

くそぅ…。ああいうのをパワハラというんじゃないか?

無駄に溜まっているプリントを前に楓香は春日井に対する文句を考えた

美加ちゃんとは帰れないし……



一人暗くなる空を教室から眺めため息をついた