キャンキャンと犬のように吠える兄を
嫌そうな顔を一つもせず
望月君はただのじゃれ合いですよ、と返す
確かにじゃれ合いっちゃじゃれ合いだけど
デコピンは痛い…
まだ納得のいかない顔であたしをみる兄
「本当にじゃれ合いかい?」
「じゃれ合いですよ、ねぇ野乃原さん?」
「……ハイハイ
じゃれ合いですよ」
帰りましょうと望月君達の背中を押す
「お兄ちゃんと帰ろうね」
「嫌だ」
あたしと兄の攻防を振り返った望月君がフッと笑ったのをあたしは知らなかった
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