家元の花嫁【加筆修正中】



あ―――――、イライラする。


話そうにも、ゆのがいなきゃ話になんねぇ。


ゆのの携帯に電話した。


「お掛けになった電話番号は……」


はぁ…。電話にも出ねぇつもりかよ。



その日の仕事は、心ここにあらず…状態で、まともなお茶が点てられなかった。


俺がまともに茶を点てられないって……。


そんな事今まで一度も無かったのに。


“心を律して、心穏やかに”


幼い頃から、心を落ち着かせるのは生活の一部だったのに。


ゆのの顔が見たい。


話がしたい。


俺、マジでヤバい……。