俺は猛スピードで自宅へと向かった。 何でか?……って、言うと―――。 今日、初めてゆのが仕事場に来た。 お弟子さん達はゆのの事を知らない。 ロビーで門前払いされてるゆのがいた。 俺はその時、家元の客人の娘に絡まれていた。 以前からしつこく言い寄ってくる女。 甘ったるい声で、ベタベタ張り付いて来る。 華道家、桐島の1人娘。 桐島っと言ったら、大御所の華道家。 うちとは古くからの付き合いだから、無下にも出来ない。 仕方なく、相手をしている。