「「きゃあっ!ネイル科の要路くんだっ!」」





金髪男のチームメイトであろう女の子達が声をあげた。





耳がキーンとするくらい、
高い声。





どこからだしているんですか?





そうツッコミたくなるくらいだ。





「こんにちは。」





ヨウジと呼ばれた人はニッコリと笑って女の子達に返事をする。





笑顔切り取って張り付けたみたい。





「「きゃああっ!」」





女の子達はさらに歓声をあげた。





耳を塞いでしまおうかと思った。





すると三人の中の茶髪の男の人が前にでてきた。





「要路・・・、なーに、笑顔振り撒いてんの。

アイドルかっつーの。」





ケタケタ笑い出す彼。





まさにその通りだよ。





ナイスツッコミ。





「はは、すまない。」





ヨウジと呼ばれた人は頭をポリポリと触る。





そしてまた女の子達に向き直る。





「君達、悪いんだけど、咲田美里ちゃんは俺達のだから。


引き取ってもらってもいいかな?」





また柔らかな声で女の子達に促す彼。





え、いや、あの。





“俺達の"って何ですか?




勝手に所有物扱い・・・!?





そんな私の疑問は通じることなく、





女の子達は間髪あけずに顔を赤らめ



はいっ!っと大きく頷き、他三人を引っ張って私達の前を去った。





私はその見慣れない光景に目をパチクリとさせるしかなかった。





私は引っ張られている媚び売り売りの金髪男を含めた三人の男の人に気がいっていると、





急にクイッと後ろ髪を引っ張られた。





「!?イタッ」





私はグインと背中をのけ反らせ、
声をあげた。





咄嗟に振り向いてみると、





イケメン黒髪男子こと、



イイジマシュウが子供みたいな表情で私の髪をクイクイ引っ張っていた。





「あ、あの・・・?」




私は引っ張られる痛みに耐えつつ、イイジマシュウを見る。





やっぱり、変なヒトなのかな・・・?





「・・・本当にいいっ」



ついには大声をあげ、
私の髪の匂いまでもを嗅いできた。





本当に、なに、この人・・・。





変人か・・・?いや、これは疑問ではなく絶対に変人だ。





このことについては、私はキッパリ断言しよう。





すると茶髪の人・・・、




さっきっからケタケタ笑ってツッコミをしていた人(?)



が前にでてきた。





「おい、いい加減離しなさーい。


美里ちゃん困ってるじゃん?」




茶髪の彼はイイジマシュウをあやすように私の髪から手を離させた。





するとイイジマシュウは反論するように茶髪の人を見る。





「いや、マジでヤバいんだって!


俺の理想の黒髪!」





目に宝石でもいれているのか、そのくらいの目の輝き。





すると、そんなにか?



と言って茶髪の人まで私の髪を弄び始めた。





そして一言。





「おお、スゲー。」





彼は少し目を見開く。





そんな感想を言われましても・・・




私はどんな反応をしたらいいのか。





私は一人悶々と頭を抱えた。





そう私は顔をしかめていると急に誰かの手が私の頬に触れた。





そして顔の向きをクイっと変えられる。





その時にはもう私の髪を触れる手はなくなっていた。






ていうか場面の展開と人が多すぎて、




誰が何をして、




どこに居るか、
なんてよくわかんないこの状況。