その声と同時に、



キキーっと車が急ブレーキかけたの時の音と似た・・・、





そんな大音量の靴と床が擦れる音がした。





そして私が瞬きをする間に、
目の前の人が入れ代わっていた。




え!?





瞬きをする前はは金髪の少しチャラチャラした男の人が目の前に居た。






けど今、私の視界には髪を少しワックスで遊ばせ・・・、





そしてかなりイケメンな黒い髪の毛の男の人がいた。





ひいっ・・・!





びっくり仰天、なんて言葉じゃ生温い。





そのくらい、私は悲鳴をあげるくらいに驚いた。





そして黒髪の人は私の姿を見るなりクリっとした女性が羨むくらいの瞳を見開いた。





「おおっ!!噂通りだー・・・!




この艶やかでサラサラ・・・!


指通りが素晴らしい・・・!


咲田美里!」





そう言葉を言い終わる前に私の髪をサワサワ撫でて、
指で絡ませる男の人。




は?





ダ、レ・・・?



何で、
私見知らぬ人に髪触られてるの?




いきなり、何なんだ・・・?





体が硬直。





思わぬ展開に喉が凍ったみたいに喋れなくなった。





「ちょっとー、何なんですかあなた。

この子は俺達が狙ってるんですけど。」




いきなりのイケメン黒髪男子の行動に呆気にとられていると、



さっきの媚び売り売りの金髪男がイケメン黒髪男子を私から引きはがした。






そして金髪男はイケメン黒髪男子にガンをとばす。




一方イケメン黒髪男子といえば、




何か?




といった表情で金髪男を見返していた。




うわ、喧嘩勃発の危機・・・!?





心臓がドクドクと激しく脈をうちはじめる。





その光景を見ていると急に金髪男が顔をしかめた。





「・・・げ、



お前・・・ヘアメイク科一位の飯島修・・・!」





金髪男はイケメン黒髪男子を指差した。





するとイイジマシュウと呼ばれた男子はパアッと顔を明るくさせた。





「あ、俺のこと知ってる?おー、なんか感激ー。」





何故か喜んでいる。





周りはその反応にドン引きだ。





え、何このヒト。





私もその一人。





だって・・・、





今さっきまでいがみ合ってる雰囲気だったじゃないか。





―――――コツコツコツコツ





私は顔を引き攣らせていると、何処からか足音が聞こえた。




・・・?




なんだろう。




やけにその音が私の耳によく届いた。





私は足音にいち早く気付くと、

その足音がする方に視線をむける。





・・・わぁ・・・。





目に入った映像に素直に驚いた。




だって・・・




すごいイケメンが3人一緒に歩いて来る。




イイジマシュウというイケメン黒髪男子と同じくらいにかっこいい男の人達。





「だめじゃないか、修。



いきなり失礼だろう?そんな態度をとって。」





柔らかな、


花の成分でも声に含まれているかのような優しい声色が、



イイジマシュウと呼ばれていたイケメン黒髪男子に向けられた。