すると頭にズシリと何かが乗っかる。





いきなりの重圧に首を動かそうとするが、



押さえ付ける力が強すぎて首が動かせない。





私は鏡越しに何かと確認する。





「なあー、美里。」





修が喋るといちいち頭の上の圧力が変わる。





どうやら、私の頭に乗っているのは修の顔のようだ。





「なんで昼休み、郁斗達も連れてきたんだよ?」





私の毛先をくにくにと弄びながらムスっと唇を尖らせてそう言う。





「え?」





私は鏡に映る修の瞳を見る。





クリクリの瞳を薄めていかにもつまらなそう。





何でって言われても・・・





あなたのメールにそうあったからですよ。





私は暫く黙ってしまう。





すると私の頭から顔を離した。





正直重かったな、と頭に手を伸ばそうとすると、今度は右肩に重圧がかかった。





「!?」





私は驚き、

視線を横にむければすぐに目に映り込む近さにいる、

修にパっと目をむける。





「なんで?」





私がそうすると修は顔を私の右肩の上で動かし、

私の顔を覗きこんでくる。





そんな仕草に思わず胸から心臓が飛び出て来るのではないかと感じる。





私は渇いた口からなんとか言葉を吐き出す。





「そんなことより・・・、近いよ・・・。」





早くどいてもらわないと心臓がもたない。





修のこめかみがピクンと反応した気がした。





そして修は息を吸う。





何秒もかかってないのに、

ゾワゾワとした生暖かい風が首元が抜けていくのを感じる。





相当私の神経は緻密になっているようだ。





「そんなことじゃねーだろ。




俺はさ、お前と二人がよかったんだよ」





声が大きくなって、思わず心臓がびくりと跳んだ。





その拍子に肩も動いてしまったみたいで修の顔が私の肩から崩れおちる。





近くなくなった顔にホッと安堵のため息をおとす。





後ろからはイッテ、

と顎を摩りながら愚痴を零す修。






私はそんな修にドギマギしながら返答する。






「な、何でよ。」





吃りつつも鋭く言い放つ。





すると修はまだ顎を摩りつつ、考えるそぶりを見せる。





「なんでって・・・」





修から帰ってくる返答をバクバク波打つ心臓を肋骨で押さえ付ける。





そしてニっと笑って私を見つめる。





「美里のこと、気に入ったから?」





そう、語尾に音符でも跳びそうな勢いでそう言った。