授業が終わると、私はカフェテリアに向かう。





カフェテリアには相変わらず人が混み合っていて4人が中々見つけ出せない。





私は広いカフェテリア内をグルグル歩く。





「美里!」





私がキョロキョロしていると、何処からか私を呼び止める声が私の耳に届く。





声がしたであろう場所に視線をむけると、修が席に座り私に手招きをしていた。





私はホっとして修に駆け寄る。






「よかったー、見つけられないかと思った。」





私は修が座る、迎側の椅子をひきながらそう言って修を見る。





そしてバックからお弁当をだす。





お弁当の包みを開こうとしたところで一つ疑問が浮かんだ。





「要路達はまだ来てないの?」





私は修に視線をむけて質問を投げかける。





すると修はうん?と眉をへの字に歪ませた。





え・・・。





私は修の表情に戸惑う。





「お、いたいた。」





どうしたの、そう私が呼び掛けようとした時、私達の右側から声がした。





私は咄嗟に振り向く。





そこには郁斗達。





「・・・あれ、俺達の席がねぇ。」




郁斗が私の隣に座ろうとしたが、隣は既に他の人で埋まっている。





本当だ。





よく見たら5人分の席が空いてない。





そんなことより、周りで女の子達がきゃあきゃあ言っているのがすごいうるさい。





すごい耳障り。





「え、あ、う・・・?


わり、忘れてた。」





修は言葉に詰まり、そして歯を見せて笑う。





顔が引き攣っているが。





「はぁ?信じらんねー。」




郁斗は呆れた顔を見せる。





席ねぇなら外で食うか、と




郁斗達はクルリと反転してパンか何かを買いに行くために歩いて行った。





私も立たなきゃ、

とお弁当を包み直してテーブルに手をつき立とうとした時。





その手首を目の前の人に捕まれた。





わ・・・?な、に。





私は予想外の出来事に心の平穏を失う。





言葉も失った。





私はそれでも首は動いた。






俯いていた顔をあげて目の前を見る。






そこには言うまでもなく修がいる。





そして修は口を開く。





「ねぇ、なんであいつらもいんの?」





修は顎である方向を指す。





私はその方向に視線を辿らせた。





視線の先には歩いていった郁斗達の姿。





“あいつら" とはあの三人のこと?





少し、修のテンションや声がいつもと違って緊張する。





何か、怖い。何がくすぐったいような・・・。





言葉じゃ表現できない感覚。





心が飛んでいきそうな感覚。





「なんでって・・・、一緒にご飯食べようって言ったのは修だよ。」





私は冷静になってそう答えた。





すると修はカッと目を見開く。





そしてみるみる顔が赤くなっていく修。





・・・お、怒ってる?





さっきのくすぐったいような感覚を通り越し、



ドキドキと心臓が大きく刻み、伸縮する感覚に変わる。





そして修は口を開く。





「ちげーよ!一緒ってのは5人でじゃなくて、2人ってことだ!」





修は比較的大きな声でそう言い、ギリっと私の手首を掴む力を強めた。





痛っ・・・。





その力に少し顔を歪める私。





そんな私の表情を見受けるとすぐに修は手を離した。





そして焦ったように口をパクパクと動かして、言葉を探すようにしながら喋りだす。





「わりぃ、まじごめん。


あ、や、今のナシ!

気にしないでくれな!


よ、し、おう!


早く旬達のとこいこーぜ!」





修はそう言うとすぐに私から視線をそらし、席をガタガタと立ち上がる。





立ち上がるときにテーブルに膝をぶつけていたが。





修が先に行ってしまって、私も急いで皆を追い掛ける。