「修に言われた時は、本当に驚いて・・・。
あと、一つ確認したくて・・・」
羽美が潤んだ瞳をもつ顔をあげた。
その目に思わず怯んだ。
綺麗過ぎる。
また心臓が痛くなるくらいに早鐘する。
「・・・なに・・・?」
私はその目に対抗するように言葉を返す。
すると少し酸素を吸ったのか、俯いてからすぐに顔を上げた。
「・・・美里は私に気を遣ってる・・・?
本当は修が好きだったりしない・・・?」
今にも涙がこぼれてしまいそうな瞳。
私の胸が痛む。
んな、わけない。
「・・・私が好きなのは、旬だよ。」
私はコクン、頷きながら言った。
羽美に気を遣う?
は?何で?
また心臓が加速する。
「・・・そっか・・・よかった・・・」
羽美はほんのり笑顔を浮かべた。
なんだかそれに私もつられた。
「もしも・・・万が一美里が修のことを好きだったりしたら・・・。
譲ったりしてほしくなくて。
まぁ正面きって戦っても負けるのは目に見えてるんだけどさー」
ケラッと手を上げて笑う。
ドクン、負ける・・・その言葉がジリジリ胸に焼き付く。
「負けないよ、羽美は・・・。
羽美カッコイイもん。」
さっきの聞いて思ったの。
外見からは想像つかないくらい・・・
真っ直ぐで、誠実で。
すると羽美はフッと吹き出した。
「そこさー、可愛いとか言ってよー」
あはは、と羽美は私の肩を叩く。
「・・・うん、かわいーかわいー」
「心こもってなーい。」
そして私達二人はハハッと高い声をあげて笑った。
そして数秒して笑いは収まり。
「とりあえず、恋・・・また頑張りますか。」
「うん、何か青春ねー。」
また私達は歯を見せて声をたてた。


