教室につき、席に座ると自然にため息が出てきた。





本当に疲れ溜まり過ぎかも。





そして先生が来るまで寝てようかな、

と瞼を閉じようとした時にポケットに入っているケータイが震えた。





あ、電源きってなかった。





そしてポケットからケータイを取り出す。





さっきの着信はメールだったみたい。





宛先は・・・





修だ。





昼休み一緒に飯食おうぜー。





そんな内容を行も開けずに一文で打ってある。





私は了解、と返信をして電源を切ってバックの中にケータイを入れた。





その瞬間に先生が入ってきて、一瞬ひやりとした。





危ない危ない。





ふう、とまたため息がでた。





――――







2時間目の授業が終わって、次は2時間続きでカメラでの撮影の授業。





私はスタジオに向かって足を進めていた。





その途中に、木崎旬達に会った。




「美里じゃないか。」




要路が私を見かけたと同時に片手をあげて話し掛けて来る。





「撮影か」





木崎旬は柱に背中を預けて横目で私を見る。





相変わらず口数は少ない。





「うん、そうだよ。」





私は笑顔をつくってそう答える。





じゃあね、

と私はまた歩みはじめようと一歩踏み出した時、さっきのメールを思い出した。





「ね、今日一緒にお昼ご飯食べるんだよね?
どこで食べるの?」





私は3人にそう問う。





すると要路と郁斗は腕を組んで首を捻った。





え、何その反応。





もしかして修からのメールを見間違えた・・・?





すると郁斗が口を開く。





「いや、知らねーけど。

ま、いいんじゃね?

カフェテリア集合で。」





郁斗はテキトーな口ぶりでそう答えた。





あ、そう、と私は曖昧な返事をかえす。





朝の出来事は本当に気にしていないみたい。





きっと郁斗はあれが素なのだろうな。





毎日女子にはあんな感じの対応をしているんだ。





きっと。






これから郁斗に朝のような事をされても気にしないで受け流すようにしよう。





そう私は一人納得と決意をし、またね、
と3人に手を振ってその場を去った。





スタジオに着くと、私は最後の方に来たみたいで皆はもう既に着替えていたりした。





私は急いで服を着替え、髪型を整えてもらい、カメラの前に立つ。





カメラマンさんは学校側でプロを雇っていて、本当にモデルの仕事をしているようですごくいい授業だ。





私は笑顔をつくり、服や髪型、その他全てがよく見えるようにカメラの前で動く。





カメラの後ろでは先生が頷きながら見ていて、心の中でガッツポーズをする。





そして数秒後に撮影が終わり、私はカメラの前から立ち退く。





・・・まだ一分も撮ってもらってないけど。





私は少し不安を持ったが、

そんなにすぐ終わるのは、すぐにいい写真が撮れたからであるし、気にすることはない。





むしろ誇らしいことだ。





私は一人、ニヤニヤと口元が緩んだが、いけない、と表情筋に力をいれる。





着替えてまたスタジオに戻ると先生には、
「相変わらずいい動きするし、今回も最高にいいわよ。」





と笑顔で褒められた。





やった。





この先生はいつも厳しく、きつく言われたりすることが多いのに、そんな風に言われて顔を緩めない方がおかしい。





そして私は小さくよしっ、と呟いた。