一日、振替で休み、今日は学校だ。
今日・・・どうなんだろう。
迎え来るのかなー・・・。
あんな気まずい状況だったし来ないかも。
いや、来ないでしょ。
「・・・はぁ・・・」
私は一つため息をついた。
外は寒いだろう。
私は靴箱からブーツを取り出す。
それに足をつっこむように履いて扉を開けた。
下を向きながら。
ああ、勝手に下を向いてしまう私、結構落ちてるかも。
するとその拍子に私の目には緑色のスニーカーが入った。
・・・ん?
かなり見覚えのある靴だ。
私は首を傾げた。
まさか、まさか・・・ははは。
私は怠いながらも目線を上げた。
すると、
「うあっ・・・!」
ビタン、私はそんな風に扉に張り付いた。
予想はしていたけど、驚きのあまり。
「おはよう。美里。」
キラーンと歯を見せて笑うのは要路。
う、うそ。
後ろを見てみればいつもの面子が。
「インターホンを押そうとしたら扉があいて驚いたよ。」
フッ、そんな風な柔らかな笑み。
え、え、え・・・!?
迎えに、来たの?
あんな空気だったのに・・・?
「さぁ、行こうか。」
穏やかな微笑みを浮かべた要路は私の腕を引いた。
私はいつもの通学路に溶け込む。
「そういえば、月曜からまた試験だね。」
要路はいかにも通常のような話題をふってきた。
「・・・あ、そうだね。」
私は俯き加減に言う。
「っあー、試験かー。
つーことはファッションショーもだな!」
いきなり右隣から声がしてビクッとする。
そこには郁斗。
「あ、うん。」
私は郁斗の顔を直視出来ずに俯いた。
「・・・なーに俯いてんだよ?
あ、あれか。
俺の公開告白で動揺したゃった感じ?」
郁斗は私を覗き込み、悪戯っ子のような悪い笑みを浮かべる。
「・・・!」
「あ、図星な感じ?」
ハハ、と声を高く上げて笑う郁斗。
いや、あんまり郁斗の事は意識してはいなかったけれども。
・・・まぁあの時は正直怯んだ。
「もちろん悪い意味だけど。」
「んー、照れんなって。」
「何が。」
「んー、素直になれって!」
私の頭をクシャっと撫でる。


