そしてパリの街に繰り出した。
いつものメンバー6人で。
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
・・・沈黙・・・。
痛い、痛すぎる。
そんな中、
「やっぱりパリの有名所はみてまわりたいかな。
・・・ここから近いのは・・・」
沈黙を気まずそうに破ってくれたのは要路だった。
要路はケータイで地図を確認しているようだ。
要路・・・!
相変わらず優しいのね、気がまわって・・・!
要路が天使に見えた瞬間だった。
それからは色々なところにまわった。
要路についていくような形だけど。
要路、本当に感謝します。
「・・・わー、すごいねー。」
「・・・写真撮るー?」
「ん・・・、まぁいちおー?」
エッフェル塔なんかに言っても皆そういうテンションだった。
エッフェル塔はすごいの。
感動もんなの。
けど、目に靄がかかったみたいに・・・。
綺麗な町並みは輝いて見えないの。
撮った写真も皆笑えていない。
笑ってるけどいつもの笑顔じゃない。
目が・・・、皆輝いてないの。
そんなテンションは延々続き、時間は過ぎた。
空港に着いても無言。
飛行機に乗っても無言。
そんな訳で即寝。
もう、嫌。
なんでこんな気まずい雰囲気を味わらなければなんないの・・・?
いつもみたいに笑いたい。
皆と笑いたいのに。
いい思い出作りたかったのに。
私は泣きながら眠った。
――――
寝ていたからか飛行時間は長く感じられなかった。
あの自由時間の方が死ぬほど長かった。
私達は無事、帰国した。
まぁ、ある意味心が無事じゃないけど・・・。
「明日は振替休日です。
しっかり疲れをとってください。
それと、試験は来週すぐにありますから各自準備しておくこと。
それでは終わりにしまーす。」
先生の挨拶を終わらせ、私達は各自解散となった。
私は親が迎えにきた車で家に帰った。


