もちろん授業はためになることばかりだった。
私達なんか足元に及ばないくらいの抜群のプロポーションの人がうじゃうじゃいる。
長身、くびれたウエスト、長い足・・・なんとまあ9等身の人もいるでないか。
やっぱりアジア人と欧米人は違うというか。
私は少し考えさせられた。
けど、
技術的なことはどちらかと言うと羽美や私は優っていたと思うし。
うん、とってもいい刺激だった・・・!
―――――
「皆スタイルいいねー、
同じくらいの歳なのにね。」
「・・・」
授業が終わり、
友達になった子や先生方に挨拶をして学校を出て。
今はバスの中。
今日の感想をぽつりと羽美に問えば、何の返答もない。
・・・やっぱり、変。
暗い・・・。
「・・・羽美?」
私は顔を覗き込む。
すると目の前でパチンと言う音でもしたのか、
というくらいにハッとする羽美。
「え?あ・・・。
そーだね」
羽美は口角だけを上げた。
目には光が通っていないみたい。
・・・本当に落ち込んでいる。
どうしたんだろう。
私が、何かしたのかな・・・。
羽美に嫌われていたりしたらどうしよう。
そんな事があるなら私の心はズタボロになってしまう。
不安・・・。
私はそのまま何も聞けず、ホテルに着いた。
夕食の時は皆で居たけど、会話はなし。
私なんて修とも旬とも、まぁ郁斗とも気まずいし・・・。
そんな雰囲気から、私達の所の雰囲気は黒かっただろう。
そんな訳で、私達は修学旅行最後の夕食を嫌な気分のまま過ごしたのだった。
――――次の日。
「今日は自由行動。
そして最終日ですね。
集合時間の10分前くらいには皆空港に着いているのが好ましいです。
皆さん、悔いなく過ごして下さいね?」
そんな先生からのお言葉を朝食が終わった時に頂いた。
悔いなく・・・ねぇ?
先生、私達にそれは無理そうです。
何たって相変わらず私達には会話がない。
昨日の夜なんて羽美と必要以上のことは一切喋らなかったんだから。
ああ、もどかしい。
こんなんで最終日大丈夫なの・・・?
私の心は不安が渦巻いていた。


