「新しい、恋じゃない?」
「はい、模範解答アンド無難な解答ね。
それが出来てたら苦労しねーわ。」
修は嘲笑うように顔を引き攣る。
「例えば・・・、
私、とか?」
私は首を傾げてみた。
んん?
あれ、今私何言った。
私は記憶を掘り返す。
・・・。
あ、あぁ、あぁぁあ?
言っちゃった・・・?
修は目の前でポカーンだ。
ああ、ああ、
修は私のこと恋愛対象じゃないんだ。
ズキン、ズキン。
胸が傷を負っていく。
「な、なーんてね?」
私はフフッと笑って両手を胸の前にだしてみた。
すると修はフッと鼻で笑うように息を吐いた。
「なんだよー、冗談?」
ハハハ、と修は笑う。
無理した笑いではなかった。
「まじ、お前何でそんな優しいの?」
修は私をチラリと見ながら言う。
・・・バクン、そんな胸の音。
そんなの決まってんじゃん。
修のことが、好きだからだよ。
好きだから、
好きな人には明るくいて欲しいから。
私は胸の中で言った。
まだ、私にはその言葉を口にする勇気はなかった。
「・・・当たり前だよー!
友達だからー・・・!」
私はそう言って、ニコ、そんな風にモデルスマイルを浮かべた。
友達、そんな風に言いたかったわけじゃないのに。
私は修を友達としてなんか見ていないのに。
「あー、俺は幸せだなー。
うん、あんがとなー!」
修はそう言って私の頭をくしゃくしゃと撫で回す。
もー、やめてー・・・
なんて私は頭をおさえる。
それから普通に修の笑みが戻ってきた。
ナチュラルな笑顔が。
それから普通にご飯を済ませて私達は別れた。
これからは普通に授業。
イコール、美里とも一緒だ。
ああ、美里と普通に喋れるかな・・・。
私はそんな不安を抱いていた。
羽美side end


