そして私はある事にひっかかる。
第三者・・・?
んん・・・?
何か口ぶりから、当事者が二人いる感じがするんだけど・・・。
私は生唾をのみこんだ。
「・・・俺さ・・・」
修が口を小さく開く。
視線は下へ向いている。
「・・・失恋した・・・」
その言葉を空気に溶かす修。
ガクリ、そう肩を落とした。
・・・え?
私は固まった。
何て言った今。
しつ、れん?
シツ、レン?
失、恋・・・?
失恋・・・?
え、あの好きな人に好きですって言ってフラれる、あの失恋・・・?
え、え、え・・・。
これ喜んでいいの?
それとも好きな人・・・が傷付いているんだから私も傷付く感じなの?
私はしばらく何も言えずに頭の中で悶々と考えていた。
「・・・何か言ってくれよー」
ふは、と口元だけに笑みをのせる。
目元は、笑えてない。
私はその切なげな表情にズキンと胸が裂かれたような気がした。
頑張って、無理してる。
「えと・・・あ・・・。
誰に失恋したの・・・?」
動揺でそんな言葉がポロッと出てしまった。
今、その人の事は思い出したくないはずなのに。
あー、何テキトーに言ってんの自分・・・!
もっと後先考えて発言するべきだった・・・!
自分の失敗に目をギュッとつぶる。
「・・・美里。」
そんな二語が耳に入ってきた。
私が混乱している間に。
私は無意識に目を開いた。
・・・へ?
本日二度目、また私は固まった。
み、り?
美里?
私の大の仲良しの・・・?
え、嘘。
え、やばいやばい。
私は自分の耳が捕らえた情報が間違いだと信じたかった。
けど・・・、聞き間違えたって事にはならないほど、修はハッキリとその名を言った。
じゃあ、つまりどうゆうことなの?
知らない間に三角関係が出来上がっていたの?
わかん、ないよ・・・。
もし、もし、万が一・・・
美里は修の事が好きでそれを私に隠していたとしたら・・・?


