政治家でも政府要人など相手に堂々と令状等を取り、家宅捜索や逮捕などを行う。


 いわゆる検察内でも精鋭部隊なのだった。


 大口は体調を崩していて、今都内の病院に入院中だ。


 昔、民自党の幹事長を公職選挙法違反で立件したことは有名だった。


 その大口に言わせれば、警視庁職員から伝えられた長谷川の転落死は旧友の死であるのと同時に、とても残念なことだったらしい。


 組対四課長の増田は大口に、長谷川が生前追っていた河村組組長の鐘ヶ江とナンバーツーの酒見の逮捕を約束している。


 大口が親友を失ったことで気を落としているような気がして、俺たち組対も少し心配だ。


 鐘ヶ江と酒見は、組対四課が組対部として独立する前の旧捜査四課時代に逮捕されている。
 

 この二人が大塚会の山本とツーカーの仲だったのは、組対四課だけでなく警視庁職員の間では有名な話だ。


 一課の速水班と越沼班は長谷川の転落死事件を追い続けていた。


 どうやら自殺ではなくて、他殺の線の方が濃厚であると踏み、捜査を続行している。