長谷川の転落死事件における警察の捜査を封じ込めようとしているのか……?


 それとも身内の不祥事を含めて、国家の汚点を隠すため、あのフラッシュメモリを奪うのだろうか……?


 俺たちには想像がつかなかった。


 だが、それもそうだろう。


 見えないところで検察は捜査に出るのだから……。


 その捜査方針に変わりはないのだった。


 仮に組対四課が河村組と大塚会の関係者たちを挙げたとしたら、国民の視線が警察側に移っていく。


 そうなると、まずいのは検察だ。


 自分たちの領分を否が応にも確保しようとする検察庁は陰で動くだろう。


 全ては警視庁に送られてきたあのフラッシュメモリにあった。


 政財界や官界、法曹界、マスコミなどの知られてはまずい類の情報が詰まっている。


 俺たちは警察官の一員としてあのデータをいずれ公表せざるを得なくなってくるのだ。