署間で情報が流れすぎることはまずありません。それに我々組対部も掴んだ情報に関しては、他の部署にリークすることなどまずないです」


「そうですか」


 半分ウソをついた。


 情報が流れることは当然ある。


 荒井は監察官として、一課や二課など警察では表舞台に出てくる部署の人間たちだけでなく、俺たち組対が秘匿している情報も掴みたいらしい。


 だが組対も裏の部署にいる刑事の集団なので、監察官に対しては一定のけん制をしている。


「安藤警部補、丸岡警部とのご関係はお認めになると?」


「ええ。ただし、私が丸岡警部に捜査機密に抵触するようなことまでは話をしておりません。あくまで世間話程度です」


 全くのウソをついてしまった。


 俺も丸岡に情報を流していたのだし、丸岡だって捜査で分かったことは俺に対し、告げることがあるからだ。