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「警視庁担当の監察官としてお尋ねいたしますが、普段の職務遂行状況は?」


 監察官の荒井が警視庁の上級職員から順に、型式通りであるが、監察官聴取を行なう。


 聴取対象となったのは、警部補以上の職員たちだ。


 当然、刑事部長や一課長など要職にある人間たちが荒井から監察官聴取を受ける。


 組対四課長の増田も、五課長の倉田も聴取された。


 普段組下にいる刑事たちがどんな行動を取っているかを、だ。


 特に警官たちが犯人確保の際、威嚇なども含めて銃器などを使っていることも聴取する。


 荒井の手元でICレコーダーが回された。


 聴取内容は録音しておき、後でパソコンで起こすらしい。


 六月で少しジメジメしている。


 警視庁内は緊張状態で張り詰めていた。


 やはり同じ霞ヶ関にいても、監察官が来るとなると全然違うのだ。