「ええ」


「俺だって虎視眈々と狙ってるんだよ。人事の季節になると、配属先が変わる可能性もあるからな。俺だって刑事部に移動になることがあるかもしれないし」


「今は耐えてらっしゃっると?」


「ああ、まあな。俺だって生身の人間だ。当然感情はある。相手がどんな野郎でも最初から手を出すことはない。こうやって持ち歩いてるものはあるけどな」


 丸岡がそう言って、デスクの上に拳銃と装填する弾丸を置いた。


 銃はオートで連射可能である。


 弾丸装填時、手入れもするらしい。


「長谷川さんを偽装自殺に見せかけて殺した北川は次にどう出るでしょうね?」


「それは分からない。ただ、警察は山本を追い詰められると思う。また速水が鬼塚を誤認逮捕したときみたいな失態犯さない限りな」


 丸岡がそう言い、


「しばらく様子見ろ。お前ら組対だって、しんどいだろ?あまり思い詰めてると」