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 夜の新宿の繁華街はネオンが灯っていた。


 明々として綺麗だ。


 歌舞伎町は夜になると、与太者が集まってくる。


 主にヤクザなど、あくどい連中だった。


 俺たち警視庁でも組織犯罪対策部にいるデカは、そういった人間たちを見張っている。


 そこの五課――通称組対五課だが――に所属していて、銃やクスリなどが闇に流れるのを取り締まっていた。


 同じ組対でも総務課や一課、二課、三課と四課、五課はやっていることがまるで違う。


 その夜も歌舞伎町にある<新宿興益(きょうえき)ビル>で超大型のブツの取引が行なわれる手筈だとネタ元が言ってきていたので、俺たちは張り込んでいた。


 確かに夜はしんどい。


 本来なら人間が眠りに就く真夜中の時間帯にヤクザや取引関係者は起きていて、物品を扱う。


 確実なネタだった。