もとは、瑞穂くんを1人にしてしまうのが気になって、海外へといった千尋くん。 もし、瑞穂くんが本当にこっちへ戻ってくることになったのなら……。 千尋くんも……。 「あぁ、兄ちゃんは……向こうに……残ったよ」 あたしに気を使って、伏せ目がちにそう言った瑞穂くん。 ……聞かなければ、良かった。 瑞穂くんの話を聞いたあたしには、そんな後悔だけが形となって心に重みを残した。