「あんたは?」 「あ、あたし……? 羽咲ある、みです……」 なんでこのタイミングで自己紹介? そう思いながら、首を傾げると。 「あるみがどんな過去を背負ってるのかなんて、俺は知らないし。別に聞かない」 「………」 「だけどあるみは今。この腕があるみの頼りになってること、分かったはずだよね」 ギュッと改めてあたしを抱きしめる腕に、力がこもる。