その後の記憶は本当に皆無だった。 熾音さんとどうやってお別れしたのか。 何時頃にお風呂に入って、何時頃に歯磨きをして。 ちゃんと髪は乾かしたのか、お肌のケアはした? 携帯の充電は? あれ、夜ご飯は食べたっけ? 分からない、何も。 覚えていない。 ただ、気付いたときにはすでに自分は制服姿で。 窓からたくさんの朝日が差し込むリビングで、お母さんと一緒に目の前のテレビを眺めていた。