「大声出すなよ」 「んぐっ……」 次にそう言った瑞穂くんは、ポケットから取り出した棒つきのキャンディを無理矢理あたしの口に突っ込む。 確かに、これで大声どころかしゃべることもできないけど……。 「よし、」 「……?」 「せーのっ」 「───ッ!?」 声にならない叫びが、喉から出かかったのは……くるりと背中を向けた瑞穂くんが、そのままあたしをおんぶしたからだ。