「風邪、大丈夫なの?」 「昨日は熱あったけど。今日は引いたから、少し喉が痛いくらい」 「そっか……」 良かった、長引く風邪じゃなくて。 安心して口元が緩むと、千尋くんの右手があたしの頭の上にポンッとのる。 「寂しかった?」 「……っ、すごく」 「素直だね」 「だって、本当のことなんだもん」 「オレもだよ」 「……っ////」 なんだろう、この風邪引いた弱ってる千尋くんの破壊力は。 なんか、艶のある黒髪がいつもよりシュンとしてるし、少し顔が紅い。 なんか……ちょっとセクシーじゃないか?