「千尋くん、お塩ってどれくらいいれるんだっけ?」 そろそろパスタがゆで上がるというところで、まだ隣に立っている彼にたずねてみる。 「あ? 袋に書いてんだろ」 「だって、適量って書いてるんだもん。適量ってどれくらい?」 「あー、しょうがねぇな。こんくらいだろ」 「っえ!」 そう言って千尋くんが持ったのは、計量スプーン山盛りのお塩。 「お、多すぎない?」 「気にすんな、ドーン」 「あぁ! ……入れちゃった」 適当な千尋くんに聞いたのが間違いだった……。