千尋くん、千尋くん










「あの時、応援したの聞こえてたの!?」




「うん」




「あんなに騒がしかったのに!?」




「うん」






嬉しい。




ほとんど聞こえてないと思ってたあの時の応援が、千尋くんの役に立ったんだもん。





千尋くんに、あのエールが届いていたことが、嬉しくてしょうがない。







「ちなみに」





「?」





「困ってるときとか、寂しいときに、無意識にオレの名前呼んじゃうあるみの癖も知ってる」






「そっ、それはっ……///」





「あるみの可愛い癖」





「ち、千尋くんっ///」





そう言って千尋くんは、優しく笑った。