「セナ?」
「マナはロリコンなんですか?」
「ん?違うけど」
「ああゆう人が好きですか?」
「ああゆう人?」
「さっきの人みたいな…」

どうやら、まだ絶賛ヤキモチ中らしい。そこまで人に対して執着がなさそうなのに、これは意外な一面を発見した。と、嬉しくなってくる。

なので、少し苛めてやりたくなった。根本が歪んでいる気もしないでもないけれど、もう諦めることにする。

「嫌いじゃないな、ああゆう女は」
「好きなんですか?」
「聞こえた?嫌いじゃない」
「好きとどう違うんですか?」
「教えなーい」

ポカンと腕が叩かれ、ぶぅっと頬が膨れる。これが好きだ。

どうやら、セナに対してはサディスティックな面が発揮されるらしい。良いのか悪いのか、自分の新たな一面も発見した。

「逃げられたくねーならちゃんと捕まえとけー?」
「じゃあセナもマナに首輪をします!」
「ははっ。俺に首輪?」
「そうです!買いに行きましょう!」

力強く腕を引かれ、面白いのでそのまま着いて行く。するとピタリと足が止まり、振り返ったセナが俺をじっと睨み上げた。

「マナはセナだけのマナです。誰にもあげません!」

何とも可愛らしい宣言にプッと噴き出すと、怒ったセナがポカンと胸元を叩いた。そのまま抱き寄せ、コソッと耳元で告げてやる。俺にはお前だけだよ、と。

結局買い与えられた首輪は、オニキスの入ったピアスだった。

セナを彩る色と同じ黒。まぁ、これも悪くない。