いつでも腕の中には妹が居た。

間抜け面をしながら、ムニャムニャと寝言を言いながら眠る妹。どんなに嫌な夢を見ても、それだけで安心出来た。

けれど、掴んだのは汗で湿ったシーツ。

夏場は妹がスリップ一枚で眠るので、すぐにお腹を壊す。だからクーラーは極力つけないでいる。

「Layla…」

真上に手を伸ばして、五本の指を確認する。

女みたいな手だけれど、これでいつだって妹の手を引いてきた。頭を撫でてきた。


依存しているのは俺の方だ。それはわかっている。