「・・・・・・身体に傷を付けられたんだってわかった」
絞り出すように言う。
千之助は、ひょいと立ち上がると、半開きだった襖を開け放ち、隣の部屋へと移動した。
そう広くもないので、移動したところで、そんな離れない。
そこにいた狐姫が吸っていた煙管を取ると、口に咥えた。
「何でわかった? 見たわけでもあるめぇ。そんなことまで、知ってるモンがいるもんかね」
佐吉は隣の部屋にいた太夫に驚き、その太夫から当たり前のように吸い付け煙草を受ける千之助にまた驚いて、しばしぽかんとしていた。
目覚めたときにも狐姫を見たはずだが、あのときはまだはっきり覚醒していなかったのだろう。
が、千之助に先を促され、はた、と我に返る。
「ああ・・・・・・えっと、ていうか、それぐらいしか考えられねぇだろ。長だって、清の器量を見込んだからこそ、娘として育ててたんだし」
ふむ、と千之助は紫煙を吐き出し、長火鉢に寄りかかって座った。
良い読みではあるが、憶測の域を出ないといったところか。
小菊の身体の傷を知っているわけではないようだ。
佐吉は、初めてしっかりと小菊を見た。
その視線に、小菊がまた小さくなる。
「見たとこ、そんな酷い傷は負ってねぇように見えるが・・・・・・。廓モンのやることだ、そうそう見えるところに傷なんざ付けねぇだろう」
「そだな。うん、お前さんの言うとおり、小菊は身体に酷ぇ傷付けられてるぜ」
言いながら千之助は、さらっと己の胸から下腹を撫でた。
絞り出すように言う。
千之助は、ひょいと立ち上がると、半開きだった襖を開け放ち、隣の部屋へと移動した。
そう広くもないので、移動したところで、そんな離れない。
そこにいた狐姫が吸っていた煙管を取ると、口に咥えた。
「何でわかった? 見たわけでもあるめぇ。そんなことまで、知ってるモンがいるもんかね」
佐吉は隣の部屋にいた太夫に驚き、その太夫から当たり前のように吸い付け煙草を受ける千之助にまた驚いて、しばしぽかんとしていた。
目覚めたときにも狐姫を見たはずだが、あのときはまだはっきり覚醒していなかったのだろう。
が、千之助に先を促され、はた、と我に返る。
「ああ・・・・・・えっと、ていうか、それぐらいしか考えられねぇだろ。長だって、清の器量を見込んだからこそ、娘として育ててたんだし」
ふむ、と千之助は紫煙を吐き出し、長火鉢に寄りかかって座った。
良い読みではあるが、憶測の域を出ないといったところか。
小菊の身体の傷を知っているわけではないようだ。
佐吉は、初めてしっかりと小菊を見た。
その視線に、小菊がまた小さくなる。
「見たとこ、そんな酷い傷は負ってねぇように見えるが・・・・・・。廓モンのやることだ、そうそう見えるところに傷なんざ付けねぇだろう」
「そだな。うん、お前さんの言うとおり、小菊は身体に酷ぇ傷付けられてるぜ」
言いながら千之助は、さらっと己の胸から下腹を撫でた。


