「そうかい。ま、亡くなった者のことはいいさ」
「え?」
「佐吉の親父と兄貴は、お前さんを攫った野郎どもに殺された。いや、兄貴はすでに、病が重くなってたから、病で死んだんだろうけどね。家に帰った佐吉を追って、実家に乗り込まれたんじゃねぇかな」
俯いた小菊に、ふ、と息をつき、千之助は立ち上がった。
部屋を横切り、隣の部屋の襖に手をかける。
「佐吉に会うかい?」
ちらりと振り返って言うと、小菊は少し迷う素振りを見せた。
まだ佐吉が小菊を騙したのではないかという疑問が、晴れていないようだ。
が、気持ちとは裏腹に、腰は浮いている。
千之助は、襖を引き開けた。
「どんな具合だ? 目ぇ覚めたかい?」
布団の横に、ちょこんと座る禿に言いながら、千之助は佐吉を覗き込んだ。
手を額に当ててみる。
熱があるようだ。
「傷の具合はどうだ?」
言いながら、千之助は佐吉の布団をめくった。
うっすらと目を開いた佐吉に手を貸し、ゆっくりと上体を起こさせる。
布団の上に座り、佐吉は、ふぅ、と息をついた。
傷自体はすでに塞がっているので、動くにもそう不便はないようだ。
「どうだい? 痛むか?」
佐吉の帯を解き、着物をはだけながら背中に回る千之助に、佐吉は項垂れつつも、小さく首を振った。
身体に巻いたサラシを解き、傷の具合を確かめる。
「え?」
「佐吉の親父と兄貴は、お前さんを攫った野郎どもに殺された。いや、兄貴はすでに、病が重くなってたから、病で死んだんだろうけどね。家に帰った佐吉を追って、実家に乗り込まれたんじゃねぇかな」
俯いた小菊に、ふ、と息をつき、千之助は立ち上がった。
部屋を横切り、隣の部屋の襖に手をかける。
「佐吉に会うかい?」
ちらりと振り返って言うと、小菊は少し迷う素振りを見せた。
まだ佐吉が小菊を騙したのではないかという疑問が、晴れていないようだ。
が、気持ちとは裏腹に、腰は浮いている。
千之助は、襖を引き開けた。
「どんな具合だ? 目ぇ覚めたかい?」
布団の横に、ちょこんと座る禿に言いながら、千之助は佐吉を覗き込んだ。
手を額に当ててみる。
熱があるようだ。
「傷の具合はどうだ?」
言いながら、千之助は佐吉の布団をめくった。
うっすらと目を開いた佐吉に手を貸し、ゆっくりと上体を起こさせる。
布団の上に座り、佐吉は、ふぅ、と息をついた。
傷自体はすでに塞がっているので、動くにもそう不便はないようだ。
「どうだい? 痛むか?」
佐吉の帯を解き、着物をはだけながら背中に回る千之助に、佐吉は項垂れつつも、小さく首を振った。
身体に巻いたサラシを解き、傷の具合を確かめる。


