男はにやにやと笑いながら、小菊の腕を捻り上げ、自由を奪いながら店を出ようとする。
しかし、その足が店の入り口でぴたりと止まった。
入り口に、店先を掃除していた杉成が立っていたのだ。
「・・・・・・何だぁ、ガキが。おら、どきな」
十にも見えない杉成に、男はしっしっと犬を追い払うように手を振る。
入れ墨者と、見るからに丁稚奉公な杉成とでは、まるで相手にならない。
だが、杉成はその場を動かない。
店の入り口は狭いので、人が一人立てば、塞がってしまう。
「小僧のくせに、逆らう気か? 馬鹿な奴だ」
亡八は小菊を掴んでいるのと反対側の腕を振り上げた。
大きく払い、小さな杉成を弾き飛ばそうとする。
しかし、その攻撃をひらりとかわすと、杉成は亡八の右側---小菊のほうに回り、素早く何かを放った。
「ぎゃっ!」
亡八が叫び、小菊を離す。
その隙に、杉成は小菊を引っ張って、自分の後ろに回した。
しかし、その足が店の入り口でぴたりと止まった。
入り口に、店先を掃除していた杉成が立っていたのだ。
「・・・・・・何だぁ、ガキが。おら、どきな」
十にも見えない杉成に、男はしっしっと犬を追い払うように手を振る。
入れ墨者と、見るからに丁稚奉公な杉成とでは、まるで相手にならない。
だが、杉成はその場を動かない。
店の入り口は狭いので、人が一人立てば、塞がってしまう。
「小僧のくせに、逆らう気か? 馬鹿な奴だ」
亡八は小菊を掴んでいるのと反対側の腕を振り上げた。
大きく払い、小さな杉成を弾き飛ばそうとする。
しかし、その攻撃をひらりとかわすと、杉成は亡八の右側---小菊のほうに回り、素早く何かを放った。
「ぎゃっ!」
亡八が叫び、小菊を離す。
その隙に、杉成は小菊を引っ張って、自分の後ろに回した。


