「まぁったく小太の奴。佐吉もいるってのに、おめでたい奴だ」
寝転んだまま、窓の外を眺めながら、千之助は呟いた。
「でもその小菊と佐吉、どうすんだい?」
千之助の胸に頬を寄せて、狐姫が言う。
今妖幻堂にいる中で、問題なのが、この小菊と佐吉なのだ。
「佐吉はまぁ、傷が深かったからなぁ。血もいっぱい出たし、回復するにゃ相当時間がかかろうが・・・・・・」
狐姫を抱き寄せ、千之助は眉根を寄せる。
小菊が、目覚めないのだ。
裏見世に突入したときから、小菊は奥に転がっていた。
折檻でもされて、気を失っているのだと思っていたが、助け出された小菊は、大して怪我もしていなかった。
遊女の折檻は、あまり見えるところに傷は残さない。
狐姫が全身を改め、骨の状態も調べたが、どこにも傷はなかった。
にも関わらず、小菊は一度も目を開けないのだ。
「・・・・・・考えてみれば、あいつの状態は元々異常だ。他の奴らみたいに、ただ頭ん中が曖昧になってるわけじゃねぇ。記憶はしっかりしてる。けどてめぇのことだけが、綺麗に抜け落ちている。そんなこと、阿片でできる業じゃねぇ」
「そうだね・・・・・・。羅刹女による記憶操作・・・・・・とかじゃないよね? 食われすぎたとか? いやでも、全然痩せてないもの。健康そのものの身体だったよ。羅刹女との関わりは、全くないといっても良いぐらいだよ」
小菊の記憶の欠落は、村の者や遊女らとは、全く別物と考えたほうがいいのかもしれない。
寝転んだまま、窓の外を眺めながら、千之助は呟いた。
「でもその小菊と佐吉、どうすんだい?」
千之助の胸に頬を寄せて、狐姫が言う。
今妖幻堂にいる中で、問題なのが、この小菊と佐吉なのだ。
「佐吉はまぁ、傷が深かったからなぁ。血もいっぱい出たし、回復するにゃ相当時間がかかろうが・・・・・・」
狐姫を抱き寄せ、千之助は眉根を寄せる。
小菊が、目覚めないのだ。
裏見世に突入したときから、小菊は奥に転がっていた。
折檻でもされて、気を失っているのだと思っていたが、助け出された小菊は、大して怪我もしていなかった。
遊女の折檻は、あまり見えるところに傷は残さない。
狐姫が全身を改め、骨の状態も調べたが、どこにも傷はなかった。
にも関わらず、小菊は一度も目を開けないのだ。
「・・・・・・考えてみれば、あいつの状態は元々異常だ。他の奴らみたいに、ただ頭ん中が曖昧になってるわけじゃねぇ。記憶はしっかりしてる。けどてめぇのことだけが、綺麗に抜け落ちている。そんなこと、阿片でできる業じゃねぇ」
「そうだね・・・・・・。羅刹女による記憶操作・・・・・・とかじゃないよね? 食われすぎたとか? いやでも、全然痩せてないもの。健康そのものの身体だったよ。羅刹女との関わりは、全くないといっても良いぐらいだよ」
小菊の記憶の欠落は、村の者や遊女らとは、全く別物と考えたほうがいいのかもしれない。


