「他の遊女らを、外に出すのさ。このままじゃ、廓が焼け落ちる。元々ここを潰すつもりだったからな、火を消す気はねぇが、関係ねぇ奴らまで巻き込むつもりもねぇ」
そう言うと、千之助は狐姫をひょいと抱き上げて、九郎助のほうへと投げた。
人型の九郎助は、肩に小菊を担いでいても、片手で軽く狐姫を受け止める。
「さっさと出てな」
「ま、待ってくれっ」
再び走り出そうとした千之助は、いきなり足首を掴まれて、つんのめった。
見ると、楼主が縋り付いている。
「た、助けてくれ・・・・・・お願いだ」
腰が抜けたまま、情けない顔で懇願する。
千之助は顔をしかめた。
「助けてくれだぁ? 遊女らがそう言っても聞かなかったお前が、それを言うか」
冷たい目で見下ろす。
そんな千之助の袖を、炎の中から伸びた手が、つんと引いた。
振り返ると、おさんが元の遣り手の姿で立っている。
「旦那が一人で行ったって、遊女らはびっくりするだけだよ。悪くしたら、旦那が付け火したと思われかねない。私は元々、ここの遣り手だ。私も行くよ」
「そうか・・・・・・そうだな」
そしておさんは、千之助の足元に視線を落とした。
「あんたぁ、わかってないようだね。ここがなくなったら、あんたなんて生きていけないんだよ」
そう言うと、千之助は狐姫をひょいと抱き上げて、九郎助のほうへと投げた。
人型の九郎助は、肩に小菊を担いでいても、片手で軽く狐姫を受け止める。
「さっさと出てな」
「ま、待ってくれっ」
再び走り出そうとした千之助は、いきなり足首を掴まれて、つんのめった。
見ると、楼主が縋り付いている。
「た、助けてくれ・・・・・・お願いだ」
腰が抜けたまま、情けない顔で懇願する。
千之助は顔をしかめた。
「助けてくれだぁ? 遊女らがそう言っても聞かなかったお前が、それを言うか」
冷たい目で見下ろす。
そんな千之助の袖を、炎の中から伸びた手が、つんと引いた。
振り返ると、おさんが元の遣り手の姿で立っている。
「旦那が一人で行ったって、遊女らはびっくりするだけだよ。悪くしたら、旦那が付け火したと思われかねない。私は元々、ここの遣り手だ。私も行くよ」
「そうか・・・・・・そうだな」
そしておさんは、千之助の足元に視線を落とした。
「あんたぁ、わかってないようだね。ここがなくなったら、あんたなんて生きていけないんだよ」


