「とどめだ!」
一際強く、男が踏み出すと同時に、匕首を突き出した。
千之助の胸目掛けて、匕首が迫る。
同時に、千之助も動いた。
迫る匕首を気にもせず、そのまま男に突進する。
がきん、という音と共に、派手に血が飛んだ。
男と千之助は、互いに交差し、背中合わせで止まった。
『旦さん・・・・・・』
狐姫が、恐る恐る口を開く。
千之助が、ゆっくりと振り返った。
下ろした手に握られた小刀には、べっとりと血が付いている。
「な、何が・・・・・・」
起こったのか、と言いたいのだろう。
が、後半は言葉にならず、代わりに男の口からは、血が噴き出した。
男の喉は、真ん中に穴が開いていた。
「ふん。千手観音の手は、そんな汚ぇことするためにあるんじゃねぇ。ヒトを救済するためにあるんだぜ」
どっと、男が倒れる。
「それに、千手観音が攻撃すんなら、そんな狙いも定めねぇような乱れ撃ちなんざしねぇ。一点集中で確実に貫くさ。お前の喉のようにな」
くく、と笑い、千之助は小刀をびゅん、と振った。
びちゃ、と血が飛ぶ。
男の喉を貫いている穴は、千之助の細い小刀を刺しただけではあり得ない幅だ。
それこそ目に見えないほどの速さで、千之助は男の喉笛だけを、何度も突いたのだ。
一際強く、男が踏み出すと同時に、匕首を突き出した。
千之助の胸目掛けて、匕首が迫る。
同時に、千之助も動いた。
迫る匕首を気にもせず、そのまま男に突進する。
がきん、という音と共に、派手に血が飛んだ。
男と千之助は、互いに交差し、背中合わせで止まった。
『旦さん・・・・・・』
狐姫が、恐る恐る口を開く。
千之助が、ゆっくりと振り返った。
下ろした手に握られた小刀には、べっとりと血が付いている。
「な、何が・・・・・・」
起こったのか、と言いたいのだろう。
が、後半は言葉にならず、代わりに男の口からは、血が噴き出した。
男の喉は、真ん中に穴が開いていた。
「ふん。千手観音の手は、そんな汚ぇことするためにあるんじゃねぇ。ヒトを救済するためにあるんだぜ」
どっと、男が倒れる。
「それに、千手観音が攻撃すんなら、そんな狙いも定めねぇような乱れ撃ちなんざしねぇ。一点集中で確実に貫くさ。お前の喉のようにな」
くく、と笑い、千之助は小刀をびゅん、と振った。
びちゃ、と血が飛ぶ。
男の喉を貫いている穴は、千之助の細い小刀を刺しただけではあり得ない幅だ。
それこそ目に見えないほどの速さで、千之助は男の喉笛だけを、何度も突いたのだ。


