始末屋 妖幻堂

「そんなんじゃねぇ。けどむしろ、そっちのほうが、お前さんらにゃ良かったんじゃねぇか?」

 にやり、と千之助の口角が上がる。

「俺っちは、御奉行よりも恐ろしいぜ」

 すい、と千之助の片手が上がる。
 楼主はただ、ぽかんと口を開けて、その手を見つめているだけだが、他の者は一応身構える。
 さすがに、それなりのヤクザ者なだけある、というところか。

 千之助は、掲げた手を振り下ろした。
 同時に周りの男らに向けて、何かを放つ。

「うわっ」

「ぎゃっ」

 再び男たちの叫び声。

「な、何だ? 串?」

 おのおの手や肩に刺さったものを確かめているうちに、千之助がぱちんと指を鳴らした。
 途端に男たちに刺さった小さな矢が火を噴く。