「はぁん? お前さん、伯狸楼のモンじゃねぇのか」
「俺はただの博打打ちだ。伯狸楼は、まぁ常連ってか。女衒や人買いの真似事をしたりしてたんで、伯狸楼にゃ繋がりもある。客としても行ってたが、ホレ、あそこはヤバいことやってるから、正規の口入れ屋なんぞからは、用心棒も女も買えねぇ。だから、俺は良い客だったんだよ。裏街道を生きてきただけに、ま、ちょいとヤバいところに顔も利く。入れ墨者を都合してやることだってできるしな」
少し自慢するように言う男を、千之助は鼻で笑い飛ばした。
千之助にとっては、ヒトの歩ける『裏街道』など知れているのだ。
「阿片も、その裏街道から手に入れたんか」
「いや・・・・・・。いくら俺でも、そこまでヤバいことはしてねぇ。阿片は、伯狸楼の仕事を請け負うようになって、初めて扱うようになった。それまでは、もっとちゃちい、あそこに行ったものの、怖くなってタレ込もうとする奴を、帰り際に脅したりとか、そういうことをやってたのさ」
伯狸楼で初めてそういう性癖に目覚めたとしても、肝っ玉の小さい奴は、後で怖くなったりするものだ。
軽いお遊び程度で済んでいれば良いが、己自身には直接関係なくても、他の客の遊び方で散々な目に遭っている遊女を目にすることもあろう。
通っていれば、裏店の危なさに気づく。
大抵の者は、その頃には深みに嵌っているものだが。
いち早くそういうヤバさに気づいた者の中には、奉行所に駆け込もうとする奴もいるのだろう。
そういう者らを脅し、口止めをしていたのだ。
「俺はただの博打打ちだ。伯狸楼は、まぁ常連ってか。女衒や人買いの真似事をしたりしてたんで、伯狸楼にゃ繋がりもある。客としても行ってたが、ホレ、あそこはヤバいことやってるから、正規の口入れ屋なんぞからは、用心棒も女も買えねぇ。だから、俺は良い客だったんだよ。裏街道を生きてきただけに、ま、ちょいとヤバいところに顔も利く。入れ墨者を都合してやることだってできるしな」
少し自慢するように言う男を、千之助は鼻で笑い飛ばした。
千之助にとっては、ヒトの歩ける『裏街道』など知れているのだ。
「阿片も、その裏街道から手に入れたんか」
「いや・・・・・・。いくら俺でも、そこまでヤバいことはしてねぇ。阿片は、伯狸楼の仕事を請け負うようになって、初めて扱うようになった。それまでは、もっとちゃちい、あそこに行ったものの、怖くなってタレ込もうとする奴を、帰り際に脅したりとか、そういうことをやってたのさ」
伯狸楼で初めてそういう性癖に目覚めたとしても、肝っ玉の小さい奴は、後で怖くなったりするものだ。
軽いお遊び程度で済んでいれば良いが、己自身には直接関係なくても、他の客の遊び方で散々な目に遭っている遊女を目にすることもあろう。
通っていれば、裏店の危なさに気づく。
大抵の者は、その頃には深みに嵌っているものだが。
いち早くそういうヤバさに気づいた者の中には、奉行所に駆け込もうとする奴もいるのだろう。
そういう者らを脅し、口止めをしていたのだ。


