「あんたぁ、そこの村の、佐吉さんだろ」
千之助の問いに、固まっていた男は目だけを動かした。
千之助と目が合うと、小さく頷く。
一応質問には答えるが、身体の震えは止まらないようだ。
まるで化け物を見るような目で、千之助を見る。
---ちょいと狐火を出しただけじゃねぇか。全くヒトってのぁ、肝っ玉の小せぇ生き物だねぇ---
ふん、と一つ鼻を鳴らすと、千之助は大股で土間を突っ切り、上がり框にどっかと腰掛けた。
小さな小屋なので、隅にいる佐吉との距離が、ぐっと縮まる。
案の定佐吉は、あからさまに身体を強張らせた。
「そう怯えなさんな。俺っちは単なる小間物屋。あんたに危害を加える気なんざ、毛頭ねぇよ」
足を組んで軽く言う千之助だが、相変わらずその手には狐火が燃えている。
おまけに足元には、大きな狐が従っているのだ。
『単なる小間物屋』といっても、説得力などない。
が、そんな些細なことに気を配っている暇はないのだ。
気にせず千之助は、本題に入った。
「長の家にいた、お清って娘を知ってるな?」
千之助の問いに、佐吉は勢い良く顔を上げた。
表情が、『何故その名を知っている』と言っている。
「知ってるな? あんたはお清始め、長の家で働いてた下男下女を、どこぞの博徒に売っ払ってたのかい?」
千之助の問いに、固まっていた男は目だけを動かした。
千之助と目が合うと、小さく頷く。
一応質問には答えるが、身体の震えは止まらないようだ。
まるで化け物を見るような目で、千之助を見る。
---ちょいと狐火を出しただけじゃねぇか。全くヒトってのぁ、肝っ玉の小せぇ生き物だねぇ---
ふん、と一つ鼻を鳴らすと、千之助は大股で土間を突っ切り、上がり框にどっかと腰掛けた。
小さな小屋なので、隅にいる佐吉との距離が、ぐっと縮まる。
案の定佐吉は、あからさまに身体を強張らせた。
「そう怯えなさんな。俺っちは単なる小間物屋。あんたに危害を加える気なんざ、毛頭ねぇよ」
足を組んで軽く言う千之助だが、相変わらずその手には狐火が燃えている。
おまけに足元には、大きな狐が従っているのだ。
『単なる小間物屋』といっても、説得力などない。
が、そんな些細なことに気を配っている暇はないのだ。
気にせず千之助は、本題に入った。
「長の家にいた、お清って娘を知ってるな?」
千之助の問いに、佐吉は勢い良く顔を上げた。
表情が、『何故その名を知っている』と言っている。
「知ってるな? あんたはお清始め、長の家で働いてた下男下女を、どこぞの博徒に売っ払ってたのかい?」


