「おいおい、ご挨拶だねぇ。いくらおめぇと牙呪丸が一体といっても、おめぇを作ったのは、この俺っちだぜ?」
ぐ、と言葉を詰まらす呶々女の頭をぽんと叩き、千之助は行李を背負った。
「じゃ、頼んだぜ。連絡は都度、俺っちが出入りするからよ。牙呪丸はどうする? 俺っちのところに来るか?」
「・・・・・・騒がしいのは好きじゃない」
無表情で答え、牙呪丸は、ちろ、と呶々女を見た。
呶々女はそんな牙呪丸の肩をぽんぽんと叩き、子供に言い聞かすように優しく言う。
「一人で大丈夫かい? ‘おいた’するんじゃないよ? 何かあったら、すぐに千さんのところに行くんだよ」
傍から見ると、おかしな二人だろう。
先よりもさらに幼くなった呶々女に、二十歳そこそこの牙呪丸が窘められているのだ。
もっとも牙呪丸は二十歳ぐらいに見えるだけで、実際の年齢などわからないが。
それは千之助にも言えることだ。
小柄な彼は、一見すると牙呪丸よりも若そうに見える。
千之助の周りのモノは、全て年齢がわからない。
唯一はっきりしているのは、小太ぐらいなものか。
「そうさな。じゃ、ま、牙呪丸は気が向いたらいつでも来るがいいさ。そんじゃあな」
行李を背負って店を出ると、千之助は花街に向かった。
ぐ、と言葉を詰まらす呶々女の頭をぽんと叩き、千之助は行李を背負った。
「じゃ、頼んだぜ。連絡は都度、俺っちが出入りするからよ。牙呪丸はどうする? 俺っちのところに来るか?」
「・・・・・・騒がしいのは好きじゃない」
無表情で答え、牙呪丸は、ちろ、と呶々女を見た。
呶々女はそんな牙呪丸の肩をぽんぽんと叩き、子供に言い聞かすように優しく言う。
「一人で大丈夫かい? ‘おいた’するんじゃないよ? 何かあったら、すぐに千さんのところに行くんだよ」
傍から見ると、おかしな二人だろう。
先よりもさらに幼くなった呶々女に、二十歳そこそこの牙呪丸が窘められているのだ。
もっとも牙呪丸は二十歳ぐらいに見えるだけで、実際の年齢などわからないが。
それは千之助にも言えることだ。
小柄な彼は、一見すると牙呪丸よりも若そうに見える。
千之助の周りのモノは、全て年齢がわからない。
唯一はっきりしているのは、小太ぐらいなものか。
「そうさな。じゃ、ま、牙呪丸は気が向いたらいつでも来るがいいさ。そんじゃあな」
行李を背負って店を出ると、千之助は花街に向かった。


