始末屋 妖幻堂

「そういう兆候は、それまで見られなかったのか? それまでも、ちょこちょこ失敗する奴だったとか」

「ううん。皆、しっかりしてた。病になって辞めた人はさ、何か、凄く痩せて」

「それも、いきなりか?」

 冴は、少し首を傾げる。

「いきなり・・・・・・といえばいきなりかなぁ。皆、里が来て二、三年ぐらいで、ばたばたっと」

 微妙な期間だ。
 発生地区が一軒の家の、下男下女に限られているから妙に思うが、期間的に見れば、いきなり発症、とも言い切れない。

「そいで、そういう症状が出た奴らが、辞めた後、村からも消えたって?」

 こくりと冴は頷く。

「しかもさ・・・・・・」

 一旦言葉を切り、薄気味悪そうに、二の腕をさする。

「・・・・・・誰も、それを変だと思わないんだ」

「そりゃあ・・・・・・妙だな」

 この小さな村で人がいなくなれば、すぐにわかるだろう。
 一人二人ではないのだ。
 騒ぎにならないほうがおかしい。