あなたは、だぁれ?

そう言ってソウマはマカの向かいのイスに腰を下ろした。

「…まあ、そうだろうな」

マカの眼は、目の前のものをとらえていない。

はるか昔に戻っているような、遠い目になっていた。

「血族の誰も、私の半身のマノンですら、私とは違う」

―そう。

マカは血族の誰よりも、その血を濃く受け継いでいた。

「何せ私は…」

マカはゆっくりと顔を上げ、真っ直ぐにソウマを見た。

ソウマの表情は、苦しそうに歪んでいる。

まるでマカのその言葉の先を、知っているかのように…。

「血族の始祖。その生まれ変わり、そのモノだからな」