逆を言えば、少数を好む者には進んで手を貸したりする傾向がある。

例えば離属したシキやリウなどには、マノンは多少なりと好感を持っていた。

それは血族を嫌うからなのか、あるいは…マカへの嫌がらせなのか。

両方かもしれないとマカは考え、顔をしかめる。

「マカ、ちょっと良いですか?」

「ああ、ソウマ。今行く。マミヤ、ハズミをはがしてくれ」

「分かった」

マミヤは遠慮なく、ハズミをはがした。

「あっ、何するんだよ! マミヤ!」

騒ぎ立てるハズミから離れ、マカはソウマの元へ行く。

店の奥の部屋に入り、ソウマは話し始めた。

「血族の長から聞きました。とりあえず、サクヤさんの一族を本家預りとするらしいです。ですが婚約の話しは、当人達に任せるとのことです」

「チッ! 本当にロクなことしないな、アイツは」

忌々しく呟くと、マカはイスに座る。

「だがまあ今回の件で、新たな情報屋との接点ができた。そこだけは良しとしよう」

「カガミさんとミツルさん、ですか…。あまりかかわり合いになってほしくないタイプのお二人なんですけどね」