「なら血族の里へお帰りくださいませ。安全なことを言えば、あそこが一番ですわ」

「頭を下げても断る。あそこがイヤで、危険を承知で出て来んだからな」

「ホントに…。マカ様の同属嫌いにも困ったものですわね」

「やかましい、カエデ。あっ、夕飯は商店街で仕入れよう。たまにはあそこの惣菜を食いたい」

「…味覚が変わりましたね、マカ様」

カエデは顔をしかめながら、頭痛に耐えた。

「良いもんばっか食っているとな、逆に味覚が無くなるように感じるんだ。ジャンクフードも悪くないぞ?」

「あっ、アタシも好きぃ。今度一緒に食べに行こうよぉ、マーちゃん」

「いけませんっ、モモ!」

「カエデの眼を盗んで、行こうな」

「あっ、わたしも一緒に行く」

「レイラ!」

そんなこんなで、車内は賑やかだった。